カテゴリ:自作小説( 5 )

計画的運任せの恋愛事情 2

            富永一樹と年上彼女の恋愛事情

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隣の枕元から かすれた声が聞こえる
「 カッキ起きてる 」
「 うん 起きた 」
昨夜は 彼女の誕生日を祝って このシティ・ホテルのレストランで食事を取り
その後 ラウンジでかなり飲んだ為 まだ酒が抜け切れてないようである
「 私 結婚する! 」
「 う~ん 誰と 」
俺は 冗談を返したつもりでいた
「 来週、お見合いするから 」
「 なに 言い出すんだよ 冗談にしても性質悪いぜ 」
「 だから カッキのこと振ってあげる 」
俺は 段々腹が立ってきた
「 それって どう言う事だよー ちゃんとこっち向いて話せよ! 」
俺は 枕に顔を埋めている彼女の肩に手を掛けた
「 見ないでよ! 」
尚も彼女を引き起こそうとする 俺に
「 見るな! バカ~! 」と枕を投げつけては またつっぷす
一瞬 泣き腫らした彼女の顔が 垣間見えた
俺は 少したじろぎ 息を呑んだが 言葉を続けた
「 なんでだよー 俺たち もう駄目なのか 」
「 ひとりで何でも決めんなよー 」
「 結婚するんなら 俺じゃ駄目なのか 」
「 出来ないの!! 」
「 カッキ、私の事どれだけ知ってる 」
「 ・・・ 」
「 それは 綾が教えてくれないからだろ 」
彼女は泣き腫らした顔を 徐に上げると 淡々と話し出した
「 私の実家は 観光ホテルをやっていて 長女の私が女将を継ぐ約束なの 」
「 今迄 好き放題 我がままを通してきたけど 」
「 25歳に成ったら 養子を迎えて 家業を継ぐって両親と約束してるの 」
「 だったら 俺が養子に入れば良いだけの話じゃん 」
「 何言ってるの あなた一人っ子でしょ 」
「 両親はどうするのよ! 今はお元気だから良いけど 」
「 年取った時は、病気になった時は、富永家のお墓の面倒は、どうするのよ 」
「 ・・・ 」俺は何も言い出せなくなってしまった
「 だから 今日限りでカッキとはお別れよ・・・ 」
「 レースはどうすんだよー 辞めるのか? 」
「 心配しなくても 他のスタッフには伝えてあるわ 」
「 カッキ、私の最後の我がままだと思って 先に出て行って 」
「 チェック・アウトは 私がするから 」
そう言うと 綾はうな垂れたまま その細い指先でドアを指し示した
俺は 黙って着替えを済ませ ドアノブに手を掛け 呟くように言葉を漏らした
「 俺のバースデイ・プレゼント 使えなく成っちまったな 」
「 大切に仕舞って置くわ だから もう行って! 」 
ホテルを後にし 見渡す風景は何処も彼処もセピア色に見えた
電車の駅に着いた頃、綾の顔がフラッシュ・バックする
もう一人の俺が 引き返すなら今しか無いぞと 囁く
だが その時の俺は
踏み留らなかった罪悪感と意地の様な物に行動を支配されていた
泣き腫らした彼女の顔がフラッシュ・バックする
           涙が落ちた 声は出ないがまた涙が落ちた
無表情のまま 改札を通り 電車に乗り込み 席に座り
俺は静かに目を閉じた 綾と出会った日の事を思い
 そして 電車の走行音のみが俺を包み込んだ
あの日は 河田レーシングのガレージで 自分の車のボンネットを開け
エンジン・ルームを覗き込んでいた時の事 後ろから 誰かが俺の肩を叩く
「 キミは これを取り付ける つもりなの 」
振り返ると 其処には ジーンズにカーキ色のブラウスを着た 彼女が立って居た
( わっ 典型的な日本美人だ 浴衣でも着せたら 艶ぽいだろーな )
彼女は 作業台に乗っているタイミング・ポイント取り上げると
「 フルトラなんか着けると EFI飛んじゃうわよ 」
「 チーフ、こっちに来て! 」
「 なんですかー? 綾さん 」
彼女に呼ばれ こちらにやって来るのは
俺の高校のOBで 此処 河田レーシングの二代目である
メカニック・チーフの河田俊介である
「 チーフ、此の子にちゃんと教えなさいよ!
          でなきゃ、此の子 フルトラ付けちゃうわよ 」
「 カッキ 俺んとこの 評判落とすなよ 」
「 ご指摘 ありがとうございます いゃー
         こいつは俺の後輩で自分の車を
                 趣味でいじってるだけなんですよ 」
「 カッキ ぼーっとしてないで 綾さんに挨拶ぐらいはしろ 」
「 どうも 富永一樹といいます 」
「 ふ~ん それでカッキなのね 」
「 カッキ、綾さんはこう見えて Aライを取って
 フレッシュマン・レースに参戦してんだぞ 」
「 だから お前なんかより 余程メカに詳しいんだ 」
「 私の紹介 未だだったわね
         名前は戸口綾 年齢不詳 趣味はカーレースてとこ 」
「 ところで カッキ、貴方 私と付き合わない 」
「 車って けっこうお金が掛かるでしょ お手当て出すから 私の運転手をしない 」
(  あっ そういう事か )
「 いいすけど 俺は プーじゃねーから 毎日は無理ですよ 」
「 構わないわ 私の運転手兼 つばめさん 」
「 それじゃ 早速 私を鈴鹿まで送ってくれる 」
「 今からですか? 」
「 ええ 今から 」
( なんなんだ! 此の人は
      いいとこのお嬢さんらしいが 随分と上から目線じゃねーか )
「 良かったな~ カッキ お前 綾さんのつばめにして貰ったのか 」
「 先輩、未だ居たんすかー 」
「 チーフ、私のランチャ出せる 」
「 何時でも出せますよ 」
「 じゃあ キーはカッキに渡して貰える 」
「 カッキ あそこに有る あの赤いランチャが綾さんの車だ、ぶつけんじゃねーぞ 」
「 ぶつけた方が 商売に成るんじゃないんすか 」
「 綾さんのレーシング・カーは うちが面倒見てるんだから
        綾さんに事故られる方が 余程 損失がでけーじゃねーか 」
「 あくどいすねー 」
「 ばか言ってねーで さっさと行って来い 」
ギュルーン、    バタン!    バタン!
「 カッキ 付き合ってくれて ありがと 」
横柄かと思えば 優しかったりもする彼女に 俺の好奇心がくすぐられる
「 ランチャ・ストラトスなんかに乗ってるのに 綾さんは何で運転しないんすか 」
「 私って 無類の方向音痴なのよね 」
「 だから 自分が今何処を走っているか判っちゃう 君の感覚が理解できないわ 」
「 いやー 俺も 営業廻り遣り出してから 道に詳しくなったんです 」
「 それに 男は太古の昔から狩りに出かける為に 方向感覚は不可欠でしょう 」
「 じゃあ カッキも肉食系なんだ 」
「 俺は 強いて言うなら 雑食系す 」
「 偏食しないんだ 」
そう言うと 綾はサイド・シートから にじり寄ると 俺の耳たぶを軽く噛んだ
「 あぶない! 」
「 綾さん、死にたいんすか! 」
「 カッキと一緒なら 此処で死んでも本望よ 」
( この女は 魔性の女だ・・・ )
「 方向音痴なら カー・ナビ付ければいいじゃないっすか 」
「 レーサーが カー・ナビに頼るって カッコ悪いじゃない 」
「 そういう問題でも無いと思うんですが 」
「 いいの これが私のポリシーなんだから 」
「 じゃあ 日頃の移動は 如何してるんですか? 」
「 ピット・スタッフの車だったり 時には電車で移動してるわよ 」
「 ランチャが泣いちゃいますよ 」
「 此の子はお飾りで良いのよ 昔から 一度乗って見たかっただけなんだから 」
「 俺には その感覚の方が理解できないっす
            車って 走ってなんぼだと思うんですが 」
「 いいのよ その分 レース場じゃ ガンガン走ってるんだから 」
「 そういう もんすかー 」
此の日以来 俺は度々 綾さんのレースに付き合うようになり
そして 何時しか 自然とピット・スタッフの一人として
レース生活にどっぷりと浸る 生活パターンが身に付いてしまった
その日は 綾が惜しくも二位でフィニッシュした 打ち上げの帰り
「 カッキ、手籠めにされたげるから 今日は貴方の所に泊めてよね 」
酩酊して 足取りの覚束無い綾の腕を肩に掛け 要約 家に戻ると
ひとりで歩こうとしない 綾をベッドに寝かせ
      新しい毛布を取り出しては それを掛けた
「 綾さ~ん 」 一向に返事をしない 
俺は 綾のベツド下の隣で肩肘を突きながら暫く横に成っていたのだが
 いつの間にか眠ってしまう
早朝、 綾は 寝ている俺の鼻を摘み
「 カッキ、この紳士気取りの小心者め 」
「 俺は酔っ払いを どう、こうする 趣味は持ち合わせてねーもの 」
「 演技よ、え・ん・ぎ 」
「 そうなんですか では 改めて お願いできますか 」
「 いゃーよ 」
「 だめよ 」「 やめてー 」「 くすぐったいってばー 」
綾と知り合って 五ヶ月目 俺は誕生日を迎えた
日頃は意識に埋没している歳の差も
    ひとつ歳を取ることで 綾に近くなった錯覚さえ覚える
その日は レースも無く
俺は仕事を終えると速攻で 綾との待ち合わせ場所へと向かった
綾の予約したレストランは 格式張った豪奢なものであった
俺はその日 自分の誕生日の記念として
    わざと意識して 初めて綾を呼び捨てにする事にした 
「 綾、俺、こういう所 落ち着かねーし 」
「 大人の修行だと思って 此の雰囲気に慣れなさい 」
「 こういう経験が 今後の貴方の糧に きっと成るから 」
そう言い終ると 綾は 自分のバッグから 小さな包みを取り出し
「 はい、パースディ・プレゼント 」
「 ありがとう、開けて良い 」
包みを開けると 中には
シンプルだがプラチナ製らしき ミラ・ショーンのキー・ホルダーが入っていた
「 ありがとう 大事に部屋に飾って置くよ 」
「 何言ってるの 物は使ってなんぼって 言ってたじゃない 」
「 でも こんなに綺麗な物でも 使っている内にキズだらけに成っちまうよ 」
「 キズなんか気にしないで 肌身離さず持っててくれる方が 嬉しいわ 」
「 さあ 今日はいっぱい食べてね 」
あの日 綾が言った 肌身離さずが脳裏に残っていた俺は
来月に迫った 綾の誕生日に チネリのレーシング・スーツを贈ろうと 思い立ち
河田先輩に相談して 色は赤を選び 左肩下にAyaのロゴを入れて貰う事にした
・・・
綾と別れて 本当の意味での存在の大きさを痛感する 日々が続いた
後日 河田先輩が
「 綾さん レースも辞めてランチャも売り払っちまった どういう事なんだ カッキ! 」
「 俺、綾とケンカ別れしちまった 」
「 バカやろう 俺が言うのもなんだが あの子はとてもピュアなんだぜ 」
「 ウン 判ってる 俺が悪かったんだ 」
誠司の部屋に居た!
「 長男と長女の恋愛は家が付いて来るだけに 難しいわなー 」 
今日は 振られ男の笑い話にすり替える為に此処に来た筈なのに
  俺はうかつにも おえつを漏らした
頭の中では後悔が渦巻く
( 俺の思考が稚拙だったばかりに 突き付けられた現実から逃げ出してしまった )
( 冷静に考えれば もっと選択肢があった筈だ
      なにも俺の代で 戸口家を継がなくとも 孫に継がせるとか )
( 俺にもっと包容力が有れば 綾を説き伏せることもできた筈だ )
( 安直な答えで終止符を打った 俺達は まだまだ幼過ぎたのだろうか )
真美が声をかけた「 カッキ 」
誠司が真美に目配せを送る
「 泣き虫カッキでも いいじゃねーか 」
「 カッキ、俺達は ちょいとメシでも食いに行ってくら~ 」




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by toxtu | 2017-02-20 21:46 | 自作小説 | Comments(0)

白パト ( プロローグ )

トリュウム型原子力内燃機関内蔵
  AI電子頭脳制御式の次世代緊急警備車両(自称・白パト)と
    プログラムの不具合で ひょんな事からコンビを組む事に成った
                           新人警官の隼人は・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺の名は 沢 隼人 今日から大阪府警に配属される新人警官である
「 ハク、来てくれ! 」
静かだがスムーズに白塗りの車が 隼人の前に横付けされた
車から 音声ガイダンスが流れる
「 儲かって まっか 」
「 ぼちぼち でんなー 」
「 沢 隼人、確認しました 」
馬鹿馬鹿しいが これがこいつの決めた オペレーション・キーの声紋チェックである
続いて自動的にドアが開かれたが 車内に人の気配は見当たらない
こいつと出会ったのは 俺が未だ研修期間中に
             千葉に有る 総合研究センターを見学した時の事
くじ引きの結果 俺を加えた三名が
     次世代緊急警備車両の試乗をさせて頂く事に成った
その車は スムーズな走行性能に加え 声紋登録をしたオペレーターの指令と共に
                  独自判断できるAIシステムを搭載していた
一番くじの俺が試乗を終え 次の人がオペレーター登録をしようとしたが
プログラムの不具合とかで登録できなく成ってしまい
            結局その日は車を回収して終わったのだが
俺の配属先が決まった直後に 府警本部長から連絡があり
 何でも 車のプログラムの改修が進まず
三年後のメンテナンス・プログラムが起動するまでの間 
            俺がこいつの単独オペレーターとして勤務する事になった
「 ハク、じゃ行くか? 」
「 何処まで行きまひょ 言うてくれはったら寝とってもろても かめしまへんで 」
「 府警本部に決まってるだろ、それより なんでお前は大阪弁なんだ 」
「 別に他意はあらしまへん わては 生粋の浪速っ子でっさかい 」
「 嘘つけー お前は千葉で組み立てられた生粋の関東者だろーが 」
「 府民の皆さんに愛される 庶民的なパトロール・カーと言う設定ですねん 」
「 文句が有るんやったら プログラマーに言うておくんなはれ 」
「 それなら 何でパトカーの塗装されて無いんだ 」
「 わてにもプライドちゅうもんがおます
       あんな客寄せパンダの様なカラーに塗られたらたまりまへんわ 」
「 本当に口の減らんパトカーだな 」
「 で、運転は どないします 」
「 ああ、パーソナル・モードで俺が運転して行くよ 」
「 そうでっか、ほな お任せしまっさ 」
府警本部に着き 本部長の訓示を終え
         配属辞令を受け取ると 後ろから本部長に声を掛けられた
「 沢君、新型車両の調子は如何かね? 」
「 はっ、」「 好調なる 使用状況であります 」
「 いや、急な事で君も とまどったと思うが
      なにしろ 動力が原子炉という事で
          もし プログラムの遮断を強行した場合に
              放射能漏れの恐れが有るかもしれない 」
「 さりとて このまま三年間寝かせて置く訳にも行かず
              上からの指示で配備される事になった 」
「 君の配属は 生活安全課に成っている筈だから
            府民の安全に十分役立ててくれたまえ 」
「 はっ、ありがとうございます 」
生活安全課の部屋は五階に有った  ( コン・コン )
「 失礼します 」
「 本日付で着任しました 沢 隼人であります 」とドアの前で敬礼した
窓際中央のデスクから 恰幅がよく温和な面持ちの方に声を掛けられた
「 君が噂の 沢君か、私は課長をやっている水島だ、今後ともよろしくな 」
「 お~い、吉川 」「 はい 」
「 今日から君の教育係をしてもらう 吉川巡査部長だ、」
「 初めまして、君が新型車両のオペレーターの沢君かー
     私は吉川夕子 ビシ ビシ鍛えてあげるから 覚悟しといてね 」
「 はっ、ご指導の程よろしくお願い申し上げます 」 
「 早速だけど 君の車でパトロールに出掛けたいんだけど 用意は良い 」
「 はっ、何時でも出動できます 吉川巡査部長 」
トルルルー、トルルルー
「 はい、生活安全課 」
「 お~い 沢巡査 なんか お前の車が下で揉めてるらしいぞ 」
「 はい、お電話代わりました オペレーターの沢です 」
「 あー こっちは装備課の武藤と言うんやが
            お前の車が爆発するなどとぬかしとる 」
「 早よー こっちに来てくれんかー 」
「 はっ、直ぐ伺います 装備課の武藤さんの所でよろしいんですね 」
「 おーよー 」
「 吉川巡査部長、申し訳ございませんが
      装備課の武藤さんの所まで連れてって頂けますか? 」
「 あの スケベおやじのとこに行くの? 」
「 気が進まないけど しょうが無いわね 」
エレベーターを降りて案内された場所は
             地下の駐車場横に有る部署課であった
( コン、コン )
「 沢巡査 入ります 」
「 失礼します! 武藤さんはいらっしゃいますか? 」
「 おぅ、待ちかねたぜ 沢巡査 」
「 おっ そちらにいらっしゃるのは 吉川巡査部長ではございませんか 」
「 この様な むさ苦しい所へ 良くぞ おいで下さいました 」
「 ささっ 遠慮なさらず どうぞ奥の方へ 」
「 丁重なお言葉ありがとうございます
 ですが 用件をさっさと片付けたいと存じます 」
「 そうですかー 残念ですなー それでは 駐車場までおいで頂けますか? 」
「 あっ それには及びません ハクの奴を此方に呼びましょう 」
隼人は襟元のモニター・マイクに向かって「 ハク此処まで来てくれ 」
そう言い終わらない内に
 やや離れた場所から タイヤの軋み音がしたかと思う間も無く
白塗りの車が 隼人の目の前に横付けされ ドアが静かに開いた
隼人は ドアから少し車内に顔を覗かせると
「 ハク、一体如何いう事なんだ 説明しろ! 」
「 いや 別にどうって事あらしまへん 」
「 わての居てた 駐車場があんまり暑いんで
     このままじゃ 日焼けしてまうから
地下の駐車場に非難して来ただけですねん 」
「 なにせ わては色白でっしゃろ シミなんぞ出来たらたまりまへんわ 」
「 そしたら 其処に居てはる人が
 強引にわてのドアの鍵を開け様としはるから 」
( 防犯システム作動 ピー ピー ピー
      半径10メートル以内の人は退避して下さい
            爆発もしくは放射線を浴びる恐れが有ります )
「 な~んてね 」「 少し脅してときましてん 」
「 たく~ぅ 」
「 いや 俺もこの車をどうこうするつもりは無かったんだが 」
「 こいつ よりにもよって 幹部駐車スペースに居座ってたもんだから 」
「 正直 うわさには聞いてたが
 見慣れない こいつの警報音に振り回されちまったぜ 」
「 フフフッ、 武藤さんも沢君も この子に掛かっちゃ形無しね、」
「 武藤さん 本当にご迷惑をお掛けしました 」
「 まぁ しょうがねーか 今回は大目に見といてやるよ 」
「 おぅ、ハクとやら以後 駐車場所には気を付けてくれよな 」
「 じゃ この件はここまでって事で パトロールに出掛けましょう 」
「 隼人はん こちらの美人は 助手席に乗ってくれはるんでっか 」
「 あら この子 お世辞も言えるのね 」
「 機械でっさかい 嘘は言いまへんでー 」
「 ドアはわてが 自動で締めますから
 手を挟まんよーに気ー付けておくんなはれ 」
バタン・・・ バタン
「 それにしても この子 コテコテの関西弁なのね 」
「 いやー わたくしもついつい
    こいつのしゃべりに合わせて ボケ・ツッコミをしてしまいます 」
「 隼人はん、ところで先程の府警本部長の話ですけど
               少し訂正させてもらいまっせ 」
「 えっ、ハク さっきの話 盗み聞きしてたのか? 」
「 盗み聞きとは 失礼な モニター・マイクで筒抜けですがな 」
「 訂正内容は わての配属が決まった訳は プログラムのせいでは無く
       むしろ わてを実配備しいへんと 次の予算が降りないと言う
            お偉いさん方の事情が優先された為ですねん 」
「 なにせ わては ごつっい高価でっさかいな 」
「 そう、わては ほんま高価やねんでー その事をよーく 考えて扱こてーな 」
「 わかった、わかった 」
「 お前の減らず口は よーくわかったってーの 」




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by toxtu | 2017-02-20 21:45 | 自作小説 | Comments(0)

白パト ( 確保 )



巡回パトロールの最中、ハクが突然
「 20m前方の民家の塀際に 生体反応を感知 」
「 ハク、其の家の住民じゃないのか? 」
「 身元確認は困難でっけど やけに不審な行動が伺えます 」
「 アイ・ビーで 確認して見まっか? 」「 ああ、そうしてくれ 」
「 了解、アイ・ビー発射 」ボシュ、
「 ねえ、アイ・ビーって何なの? 隼人君 」
「 はい、吉川巡査部長 アイ・ビーと言うのは
         蜂に似せた ロボットカメラの事なんです 」
( ウィィーン・・ ) フロントパネルからモニター画面がせり上がる
「 リモコンカメラの映像を このモニターで確認する事が出来ます 」
「 ハク、もう少しカメラを近くに寄せてくれ 」「 了解 」
カメラが不審人物を映し出すと
「 あっ、ガラスを割った 」
「 ハク、指令本部に応援を要請 」
「 サイレンを鳴らして現場に急行するぞ 」「 はいな~ 」
ギューン、ファン、ファン、ファン、キィーッ
ファン、ファン、ファン、・・ ガチャッ、ガチャッ、
「 巡査部長、よろしいですか 」「 ええ、踏み込みましょう 」
隼人と夕子は 拳銃を構え
住宅の正面から塀伝いに 裏庭を覗き込んだが 犯人の姿が何処にも見当たらない
隼人は オペレーションマイクを口元に近づけると
「 ハク、犯人は何処だ! 」
すぐさま イヤホンに「 隼人はん、カーポートの上に生体反応がおます 」
隼人がカーポートを見上げると 一瞬、人影が見えた
「 巡査部長、カーポートの上です、」
隼人は大きな声で「 コソ泥!観念して降りて来い 」
だが、一向に 犯人が 下に降りてくる様な気配が無い
「 俺が 登りますから 巡査部長は此処で待機していて下さい 」
「 了解、でも 気を付けて 」「 はい 」
隼人は 拳銃をホルダーに仕舞うと
         塀に足を掛け 其処からカーポートに乗り移った
丁度その時、犯人が母屋の瓦屋根に手を掛け よじ登ろうとする姿が見える
「 待てえ~っ 」
隼人が 犯人の足を掴んだ瞬間
バリバリバリ バシャーン ドスン、ドサッ、
カーポートの薄いカーポネートを破り 犯人諸共 下に落ちてしまった
それでも しっこく犯人に取り付き 後ろ手に手錠を掛けると
「 確保しました 」
・・・
ファン、ファン、ファン、 ファン、ファン、ファン、
やがて 二台のパトカーが到着し 応援に遣って来た 警ら係に犯人を預けた
「 あ痛っ 」「 隼人君、大丈夫? 」
「 落ちた時に 腰を打ったみたいです 」「 あ痛っ 」「 あつっ 」
バタン、バタン、隼人は夕子の肩を借りながら 千鳥足でハクに乗り込むと
「 ハク、警察病院まで 連れてってくれ 」「 了解 」
・・・
 


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by toxtu | 2017-02-20 21:45 | 自作小説 | Comments(0)

白パト ( 潜在能力 )


「 沢巡査、先ずは ○○小学校前で
       変質者が出没との通報が有るから
                そちらに向ってくれる 」
「 はい、解かりました吉川巡査部長殿 」
「 ハク! 場所は判るか 」
「 はいなー、地図を出しまひょか? それとも 自動運転に切り替えまっか? 」
「 う~ん 連れてって貰おうか 」
「 了解、自動運転に切り替えます 」
住宅街に入り いくつかの細い路地を曲がったところで
行き成り ハクがサイレンを鳴らした
ウ~、ウ~、 「 そこの シルバー・メタリックの車!直ちに停車しなさい 」
隼人が 前方に目を遣ると
       初老の女性が倒れており 其の前方を車が走り去るのが見えた
「 ハク!ひき逃げか? 」
ハクは淡々と「 引ったくり事件発生、
           オペレーター、ペイントボールの発射許可を指示願います 」
「 許可する、」
ボム! やや鈍い音と共に
     ペイントボールは前方を走る車の後部に 粘着質の赤い色を散りばめた
追跡劇に突入かと思われた その刹那、ハクは急ブレーキを懸けて停止する
「 ハク、如何した? 」
「 生命反応低下・・・心停止を確認、直ちに救急に連絡を取ります 」
「 オペレーター、後部トランクのライフパック《AED》を使用してください 」
カチャーン!、
ガイダンスが終わるか終わらない内に 後部トランクが大きく口を開けたが
隼人の位置からは 被害者の確認が出来ず 反応が一歩遅れてしまう
「 なにやってるの 私が蘇生処置をするから あなたは本部に連絡 いいわね! 」
吉川は吐き捨てるように言葉を投げつけると ドアを開け放ち 飛び出す
「 ハク、大至急 本部へ連絡 」
「 本部指令センターには 既に連絡済
       現在、ペイントボールに内蔵のGPS装置を使って
             交通課が犯行車両を追跡との一報が入っています 」
「 只今、300m後方より 救急車両の接近を確認しました 」
「 ハク、救急車が止められる位置まで 前進してくれ 」
「 了解 」「 ハク、緊急ハザード点滅! 」「 了解 」
隼人はドアを開け 急ぎ 現場よりやや後方に立ち 交通整理を始めた
救急車が立ち去り 程無くすると 鑑識車両が到着
近づいてきた係官に「 後は お願い出来ますか 」「 おう、解かった 」
隼人は 返事を確認すると 前方で交通整理に当っている
                 吉川巡査部長に駆け寄り 声を掛けた
「 後は 引き受けて頂けるそうです 」
「 あら、そう、君も初動は悪かったけど 後の処置は及第点てとこね 」
「 はっ、申し訳ございません 」隼人は 素早く敬礼をして見せた
「 もう 良いわよ 」
バタン、「 ハ~ァ 」吉川は車内に入ると 大きなため息をついた
「 被害者の身元を特定する 所持品は無し 犯人も取り逃がして
         こんなんで 報告書に如何書こうか考えると 頭痛いわ! 」
「 せめて あの おばあちゃんの命だけでも 助かってほしいわよ 」
「 色々と考えてはるとこ 申し訳無いんですが
         おばあちゃんの意識が回復したとの連絡が入ってますねん 」
「 それと 犯人でっけど
    交通課の警ら係が確保したとの報告も上がってきてますわ 」
( ウィィーン・・ )フロントパネルからモニター画面がせり上がり
「 そうそう、問題の報告書の方は 犯行時のビデオメモリーに 」
( カタ カタ カタ カタ ウィーン カシャ カシャ カシャ )
通信デバイスの横から なにかが プリント・アウトされた
「 状況報告書を付けて こんなもんで ええんちゃいますか 」
「 ああー なんていい子なの 私にも一台回して貰いたい位だわ 」
「 沢巡査、私、この子がとっても気に入っちゃった 」
「 今後は 努めて君の車に同乗させて貰うわね 」
「 はっ、光栄であります 」
「 別に良いけど 褒めてるのは 君の事じゃないわよ 」
「 ほな 当初の予定どうり 小学校に行きまひょか? 」
「 ええ、お願いするわねっ ハク君 」
小学校の正門前に着くと
「 ハク君、裏門の方に回って
   目撃情報の多い 北側の三叉路が 見渡せる位置に止めてくれる 」
「 了解 」
ハクが予定位置に停車すると
「 未だ 下校時間には早いから しばらく ここで待機しましょ 」
「 それやったら ガラスに薄くスモークかけまひょか? 」
「 あら そんなことも出来るわけ? 」
「 何と言っても わては 先端技術の塊でっさかい 御茶の子さいさいでんがな 」
やがて 下校時間のチャイムと共に 生徒がどっと門から溢れ
           小一時間もすると 児童の数も 次第にまばらに成った
「 沢巡査、あそこを歩いてる男性 さっきも此処を通らなかった? 」
「 そう言われれば 」
「 私は此処で見てるから 君が 職質かけてきなさい 」
「 はっ、」パシャ バタン
隼人は 出来るだけ自然な歩き方を心掛け 男の背後から声を掛けた
「 すいませんが 」
やおら 帰ってきた返事は「 難儀な、やっちゃな! 」
「 制服さんに チョロチョロ されては 困るんや 」
男はポケットを探り「 ほいよっ 」
男が差し出した 右手には 紛れも無く 警察手帳が握られていた
「 し、失礼しました 」「 敬礼はいいから さっさと いんでくれ 」
足早に 車に戻り ドアを開けると
「 そんなに慌てて どうしたの! 」
「 いやー まいりました、どうやら刑事課の方らしく 追い払われてしまいした 」
「 刑事課が出張ってるんじゃ 私達の出番は無いわね 余り此処に居ても
        刑事課との軋轢を深めるだけだから 一旦、署に帰りましょ 」
「 判りました、ハク、本署に戻ってくれ 」
「 了解 」・・・
バタン、 
「 私は先に上に上がって 水島課長の指示を仰ぐから
    君は次のパトロールに備えて 先程使ったライフパック《AED》や
            点検等をしっかり終えてから 上がって来てね 」
「 はっ、承知いたしました 吉川巡査部長殿 」
隼人は駐車場に車を止めると
「 ハク!今度は此処で大人しくして居てくれよな 」「 判ってまんがな 」
そんな やり取りの最中 一台のミニパトが ハクの横に止められ
二人の婦警が こちらに近づいて来た
「 沢君 今日は 大活躍だったんだってー 」
声を掛けて来たのは 警察学校で同期の 鳴上詩乃であった
「 先輩、こいつが今話題の 新型車両のオペレーターをしてる 沢巡査です 」
「 はじめまして シノの指導係の 上村と申します 」
「 はっ、初めて御目に掛かります 沢隼人であります 」 シュタッ!
「 今日の警察無線は 沢君の情報が 乱れ飛んでましたよ 」
「 はっ、初日からお騒がせしました 自分は大した事も出来ずに
  ハクと吉川巡査部長の力添えで 何とか 事無きを得た次第であります 」
「 そうだったの 沢君は結局 な~んにも活躍してなかったんだー 」
「 同期の 私としては 皆に自慢したかったのになー 」
「 あっ、忘れるとこだった 」詩乃は隼人を押し退けるようにして ドアを開けると
「 ハク、オひさッ、元気してたー 」
「 へい、わては異常無く動いてますけど 鳴ちゃんは相変わらず 元気でんなー 」
「 へ~ 噂には聞いてたけど この車 むちゃむちゃ 流暢にしゃべるのね 」
「 はい 流暢と言うより 本当に口の減らねー 奴なんです 」
「 ハハハ、そうなの、私も一度この子に乗って パトロールして見たいわ 」
「 いや、大袈裟でなく 本当に我が儘で 扱い辛い奴なんですからー 」
「 さてと・・・シノ、あんまり此処で油を売ってちゃ 私が怒られるから
          そろそろ 上にあがって 報告書を書いちゃいましょ 」
「 はーい 」「 じゃね、沢君、ハク、」
「 隼人はん、ほんま鳴ちゃんは 元気でええ子でんなー 」
「 元気なのは認めるけど いまいち色気がな~ 」
「 其の点、吉川先輩は カッケーし 色気も十分で 俺のタイプだなー 」
「 ハク、先輩って 幾つ位なんだろ~な 」
「 調べまひょか、ちょっと待って おくんなはれや 」
ウイーン カタ カタ カタ カタ
「 本部資料室のデータベースから 引っ張ってきたんでっけど
             基本的なことは 載ってまっしゃろ 」
「 おっ、俺より四つ年上で 小・中・高は お嬢様学校に行ってるぜ 」
「 おい、ハク、先輩の写ってる映像 お前のメモリーに残ってないか? 」
「 おまっせー 」 ウィィーン・・
「 おっ、ハク、もっとアップに出来るか? 」
「 いいじゃん、この映像 残しといてくれ 」
「 他にも 吉川先輩の映像は在るのか? 」
「 タッチ機能で画像を送れまっせ 」
「 ん、暗くて良く見えねーぞ 」「 明るさ補正を掛けます 」
「 え、これって ひょっとして 先輩のパンチラ! 」
「 ハク、こんな物まで 撮ってんのかー 」
「 消去しまひょか? 」「 いや、いいから 残しとけ・・・ 」
「 隼人の ちゅけべ 」



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by toxtu | 2017-02-20 21:44 | 自作小説 | Comments(0)

白パト ( ジャガー )

 
               


水島課長に声を掛けられた「 沢巡査、明日、本庁に出向いてもらえるか 」
「 本庁と言うと、東京の警察庁本部の事ですか? 」
「 ああ、明日、東京の方でセレモニーが有って
            其処で ハクのお披露目をするそうだ 」
「 あっ、吉川巡査部長、君も同行してくれ 」
「 明日は 早朝に出発して 向こうで一泊、翌日に帰ってくる手順でたのむ 」
隼人は 何の気無しに「 お泊りですか? 」
「 何考えてんのっ? 」パシッ!!
吉川巡査部長に デコピンを頂いた
隼人は 顔を真っ赤にしながら
「 けっ、決して みだらな事は考えては居りませんです はい 」
シュタッ、ビシッと敬礼をして見せた
「 隼人、お前の腕では まだまだ 吉川君を 寝技にもってけね~ぞ 」
「 なにしろ 吉川巡査部長は 合気道の有段者なんだからなっ 」
「 課長、言葉を慎んで下さい、それって セクハラですよ 」
「 そうか、すまん、すまん 」
「 おっと、言い忘れた、宿舎の方は 向こうで官舎を用意してくれるそうだ 」
・・・
コン、コン、
「 ハク君、トランク開けてくれる 」「 はいな~っ 」
バタン、 「 けっこうな量の荷物ですね 」
「 あら、普通、女性の荷物って こんなものよ 」
「 じゃ、行きますかっ 」
「 ハク、運転はお前に任せるから 名神から東名高速のコースで頼む 」
「 了解 」
良く晴れた絶好のドライブ日和であった
「 隼人はん、今日は良く晴れて ほんま 気持ち良~走れまんなぁ 」
「 ハク お前でも 天候を気にするのか? 」
「 当たり前でんがな、わては 色白でっけど 日焼けより水垢の方が嫌いでんなぁ 」
やがて 二人を乗せたハクが 神奈川県に入ろうかと言う時
一台の黒塗りのジャガーが猛スピードで 俺達の横を通り過ぎた
「 追跡します 」
ハクは行き成り スピードを上げると シートに沈み込むようなGを感じた
「 おい、ハク、大丈夫なのか? 相手はジャガーだぜ 」
「 何言うてまんねん、あれは改造しても高々600KW出力の
                   レシプロ・ガソリンエンジンでっせ 」
「 わては まだ時速300キロまでしかテスト走行はしてまへんけど
       1400KWのタービンエンジンでっさかい 負ける訳がおまへん 」
ハクは 回転灯とサイレンを作動させ
車載カメラのモニターを映し出すと パッシングを繰り返しながら追尾する
隼人は マイクを持ち上げ
「 前方を走る 横浜む-****の車両、直ちに路肩に停車しなさい 」
「 前方を走る 横浜む-****の車両、直ちに路肩に停車しなさい 」
と警告を発するが
ジャガーは 車の群れを縫う様に 尚もスピードを上げてゆく
ハクは 其の後方20メートルの車間距離を維持しながら
       獣の様にしなやかなハンドル捌きで ジャガーを追い詰める
車の一団をやり過ごし 前方の視界が広がると
ハクは 一気に加速し ジャガーを追い抜き ハザードランプを点滅させた
流石に観念したであろう、ジャガーはその車体を路肩に沿わせるように停止した
「 ハク君、あいつを止めても 此処は私達の管轄じゃないのよ 」
「 隼人はんは 地方公務員でっけど
     わては国家予算で作られた国家公務員みたいなもんですわ
              言わば 警察署長クラスやと思も~てください 」
「 わての場合 全国何処でも執行権を行使できますんや
    それに わては優秀でっさかい 逮捕状なぞ チョコチョコと作れまっせ 」
「 分かった 」 バタン、
隼人は ジャガーのやや前方に止められた ハクから出ると
                      ジャガーの元へと歩いて向った
隼人が ジャガーの数メートル先に近づいた時
グォーン、行き成り車が走り出し 又しても 逃走する
ギャギャギャギャ
ハクは タイヤ音を激しく鳴らし 隼人の元へバックすると ドアを開け
「 隼人はん 」 バタン、
ギャギャギャギャッ、ギューン
隼人がシートに着くや否や 激しいタイヤ音とやや甲高い音を響かせて
ゼロヨン・レース並みのスタートダッシュ!!
「 隼人はん、威嚇にペイントボールを撃ちまひょか? 」
「 許可する、」
 バスン!!
ペイントボールはジャガーの黒い車体後部に 鮮やかな赤い色を散りばめた
車は止まり 今回は ジャガーの真後ろにハクが停車した
「 隼人はん 今、神奈川県警の高速機動隊が こちらに向かってます
      書類とデータは わてが揃えまっさかい 運転者を確保したら
              引導を渡して 引き渡すだけでよろしおまっせ 」
「 隼人君、拳銃を 」「 はいっ 」
隼人は ドアから出ると 拳銃を構え ゆっくりと車に近づく
ジャガーの運転席のドアが開き
          中からは スーツ姿の恰幅の良い紳士が出て来た
「 ドアを閉めて 手はルーフの上に、」・・・
カシャッ、
男は悪びれた様子も無く「 えっ、何故手錠を? 」
「 彼方の執った行動は 施錠に値します 」
「 罪状の説明は 後部座席で行ないます 」
バサッ「 巡査部長、説明の方はお願いします 」
「 僕は 後方に表示板を取り付けて来ますので 」 バタン、
やがて 神奈川県警の高速機動隊が到着すると
「 それでは 被疑者の方は よろしくお願いします 」
「 噂には聞いていましたが それにしても、あのジャガーを捕まえるとは
              この車は一体何キロまで出せるのですか? 」
「 いやっ、本人は 300キロまでしかテストしていないと言ってますが 」
「 本人? 」
「 あっ、すいません、この車は自我の塊のような物で
  自分はジャガーなんかの 倍以上の馬力が有るなどと 嘯いて居るんです 」
「 ははははっ、それは、それは、けっこうなじゃじゃ馬てトコロなんですね 」
・・・
其の日のセレモニーも 要約無事に終え
バタン、
「 フゥー 」
「 隼人はん、夕子はんは どないしはりました? 」
「 ああ、こっちの知り合いと飲みに行くんだとさ 」
「 あ~あ~ 俺の事、誘っても暮れねーし 」
「 そら、落ち込みますわなっ 」
「 隼人はん ほんま 可哀想、可哀想 」
「 お前に 其処まで言われる方が 可哀想だよ 」
「 もう良いから、宿舎まで連れてってくれ 」「 了解 」




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by toxtu | 2017-02-20 21:44 | 自作小説 | Comments(0)