「ほっ」と。キャンペーン

白パト ( 潜在能力 )


「 沢巡査、先ずは ○○小学校前で
       変質者が出没との通報が有るから
                そちらに向ってくれる 」
「 はい、解かりました吉川巡査部長殿 」
「 ハク! 場所は判るか 」
「 はいなー、地図を出しまひょか? それとも 自動運転に切り替えまっか? 」
「 う~ん 連れてって貰おうか 」
「 了解、自動運転に切り替えます 」
住宅街に入り いくつかの細い路地を曲がったところで
行き成り ハクがサイレンを鳴らした
ウ~、ウ~、 「 そこの シルバー・メタリックの車!直ちに停車しなさい 」
隼人が 前方に目を遣ると
       初老の女性が倒れており 其の前方を車が走り去るのが見えた
「 ハク!ひき逃げか? 」
ハクは淡々と「 引ったくり事件発生、
           オペレーター、ペイントボールの発射許可を指示願います 」
「 許可する、」
ボム! やや鈍い音と共に
     ペイントボールは前方を走る車の後部に 粘着質の赤い色を散りばめた
追跡劇に突入かと思われた その刹那、ハクは急ブレーキを懸けて停止する
「 ハク、如何した? 」
「 生命反応低下・・・心停止を確認、直ちに救急に連絡を取ります 」
「 オペレーター、後部トランクのライフパック《AED》を使用してください 」
カチャーン!、
ガイダンスが終わるか終わらない内に 後部トランクが大きく口を開けたが
隼人の位置からは 被害者の確認が出来ず 反応が一歩遅れてしまう
「 なにやってるの 私が蘇生処置をするから あなたは本部に連絡 いいわね! 」
吉川は吐き捨てるように言葉を投げつけると ドアを開け放ち 飛び出す
「 ハク、大至急 本部へ連絡 」
「 本部指令センターには 既に連絡済
       現在、ペイントボールに内蔵のGPS装置を使って
             交通課が犯行車両を追跡との一報が入っています 」
「 只今、300m後方より 救急車両の接近を確認しました 」
「 ハク、救急車が止められる位置まで 前進してくれ 」
「 了解 」「 ハク、緊急ハザード点滅! 」「 了解 」
隼人はドアを開け 急ぎ 現場よりやや後方に立ち 交通整理を始めた
救急車が立ち去り 程無くすると 鑑識車両が到着
近づいてきた係官に「 後は お願い出来ますか 」「 おう、解かった 」
隼人は 返事を確認すると 前方で交通整理に当っている
                 吉川巡査部長に駆け寄り 声を掛けた
「 後は 引き受けて頂けるそうです 」
「 あら、そう、君も初動は悪かったけど 後の処置は及第点てとこね 」
「 はっ、申し訳ございません 」隼人は 素早く敬礼をして見せた
「 もう 良いわよ 」
バタン、「 ハ~ァ 」吉川は車内に入ると 大きなため息をついた
「 被害者の身元を特定する 所持品は無し 犯人も取り逃がして
         こんなんで 報告書に如何書こうか考えると 頭痛いわ! 」
「 せめて あの おばあちゃんの命だけでも 助かってほしいわよ 」
「 色々と考えてはるとこ 申し訳無いんですが
         おばあちゃんの意識が回復したとの連絡が入ってますねん 」
「 それと 犯人でっけど
    交通課の警ら係が確保したとの報告も上がってきてますわ 」
( ウィィーン・・ )フロントパネルからモニター画面がせり上がり
「 そうそう、問題の報告書の方は 犯行時のビデオメモリーに 」
( カタ カタ カタ カタ ウィーン カシャ カシャ カシャ )
通信デバイスの横から なにかが プリント・アウトされた
「 状況報告書を付けて こんなもんで ええんちゃいますか 」
「 ああー なんていい子なの 私にも一台回して貰いたい位だわ 」
「 沢巡査、私、この子がとっても気に入っちゃった 」
「 今後は 努めて君の車に同乗させて貰うわね 」
「 はっ、光栄であります 」
「 別に良いけど 褒めてるのは 君の事じゃないわよ 」
「 ほな 当初の予定どうり 小学校に行きまひょか? 」
「 ええ、お願いするわねっ ハク君 」
小学校の正門前に着くと
「 ハク君、裏門の方に回って
   目撃情報の多い 北側の三叉路が 見渡せる位置に止めてくれる 」
「 了解 」
ハクが予定位置に停車すると
「 未だ 下校時間には早いから しばらく ここで待機しましょ 」
「 それやったら ガラスに薄くスモークかけまひょか? 」
「 あら そんなことも出来るわけ? 」
「 何と言っても わては 先端技術の塊でっさかい 御茶の子さいさいでんがな 」
やがて 下校時間のチャイムと共に 生徒がどっと門から溢れ
           小一時間もすると 児童の数も 次第にまばらに成った
「 沢巡査、あそこを歩いてる男性 さっきも此処を通らなかった? 」
「 そう言われれば 」
「 私は此処で見てるから 君が 職質かけてきなさい 」
「 はっ、」パシャ バタン
隼人は 出来るだけ自然な歩き方を心掛け 男の背後から声を掛けた
「 すいませんが 」
やおら 帰ってきた返事は「 難儀な、やっちゃな! 」
「 制服さんに チョロチョロ されては 困るんや 」
男はポケットを探り「 ほいよっ 」
男が差し出した 右手には 紛れも無く 警察手帳が握られていた
「 し、失礼しました 」「 敬礼はいいから さっさと いんでくれ 」
足早に 車に戻り ドアを開けると
「 そんなに慌てて どうしたの! 」
「 いやー まいりました、どうやら刑事課の方らしく 追い払われてしまいした 」
「 刑事課が出張ってるんじゃ 私達の出番は無いわね 余り此処に居ても
        刑事課との軋轢を深めるだけだから 一旦、署に帰りましょ 」
「 判りました、ハク、本署に戻ってくれ 」
「 了解 」・・・
バタン、 
「 私は先に上に上がって 水島課長の指示を仰ぐから
    君は次のパトロールに備えて 先程使ったライフパック《AED》や
            点検等をしっかり終えてから 上がって来てね 」
「 はっ、承知いたしました 吉川巡査部長殿 」
隼人は駐車場に車を止めると
「 ハク!今度は此処で大人しくして居てくれよな 」「 判ってまんがな 」
そんな やり取りの最中 一台のミニパトが ハクの横に止められ
二人の婦警が こちらに近づいて来た
「 沢君 今日は 大活躍だったんだってー 」
声を掛けて来たのは 警察学校で同期の 鳴上詩乃であった
「 先輩、こいつが今話題の 新型車両のオペレーターをしてる 沢巡査です 」
「 はじめまして シノの指導係の 上村と申します 」
「 はっ、初めて御目に掛かります 沢隼人であります 」 シュタッ!
「 今日の警察無線は 沢君の情報が 乱れ飛んでましたよ 」
「 はっ、初日からお騒がせしました 自分は大した事も出来ずに
  ハクと吉川巡査部長の力添えで 何とか 事無きを得た次第であります 」
「 そうだったの 沢君は結局 な~んにも活躍してなかったんだー 」
「 同期の 私としては 皆に自慢したかったのになー 」
「 あっ、忘れるとこだった 」詩乃は隼人を押し退けるようにして ドアを開けると
「 ハク、オひさッ、元気してたー 」
「 へい、わては異常無く動いてますけど 鳴ちゃんは相変わらず 元気でんなー 」
「 へ~ 噂には聞いてたけど この車 むちゃむちゃ 流暢にしゃべるのね 」
「 はい 流暢と言うより 本当に口の減らねー 奴なんです 」
「 ハハハ、そうなの、私も一度この子に乗って パトロールして見たいわ 」
「 いや、大袈裟でなく 本当に我が儘で 扱い辛い奴なんですからー 」
「 さてと・・・シノ、あんまり此処で油を売ってちゃ 私が怒られるから
          そろそろ 上にあがって 報告書を書いちゃいましょ 」
「 はーい 」「 じゃね、沢君、ハク、」
「 隼人はん、ほんま鳴ちゃんは 元気でええ子でんなー 」
「 元気なのは認めるけど いまいち色気がな~ 」
「 其の点、吉川先輩は カッケーし 色気も十分で 俺のタイプだなー 」
「 ハク、先輩って 幾つ位なんだろ~な 」
「 調べまひょか、ちょっと待って おくんなはれや 」
ウイーン カタ カタ カタ カタ
「 本部資料室のデータベースから 引っ張ってきたんでっけど
             基本的なことは 載ってまっしゃろ 」
「 おっ、俺より四つ年上で 小・中・高は お嬢様学校に行ってるぜ 」
「 おい、ハク、先輩の写ってる映像 お前のメモリーに残ってないか? 」
「 おまっせー 」 ウィィーン・・
「 おっ、ハク、もっとアップに出来るか? 」
「 いいじゃん、この映像 残しといてくれ 」
「 他にも 吉川先輩の映像は在るのか? 」
「 タッチ機能で画像を送れまっせ 」
「 ん、暗くて良く見えねーぞ 」「 明るさ補正を掛けます 」
「 え、これって ひょっとして 先輩のパンチラ! 」
「 ハク、こんな物まで 撮ってんのかー 」
「 消去しまひょか? 」「 いや、いいから 残しとけ・・・ 」
「 隼人の ちゅけべ 」



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by toxtu | 2017-02-20 21:44 | 自作小説 | Comments(0)
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